1濃厚接触合体 ★2020/06/13(土) 17:14:54.79ID:AJja2RQi9  人間には好みのタイプというものがある。それは容姿や能力だけでなく多種多様な要因があり、周りから見ると意外なカップリングも存在する。

 更に女性の場合、ミクロレベルでも好みのタイプが存在するようだ。

 『Proceedings of the Royal Society B』(6月10日付)に掲載された最新の研究によると、人間の卵子には好みの精子し、その精子とのドッキングを望んでいるそうだ。そしてそれは女性自身の好みとは違っているというのだから興味深い。

卵子は特定の精子を強く引き寄せる

 卵子をおおう「卵胞液」には、未受精卵に精子を引き寄せる「化学誘引物質」が含まれている。精子はその化学誘引物質に誘われて、泳ぐ方向を変え、卵子を目指す。

 受精というプロセスにおいて化学誘引物質が大きな役割をはたしていることはこれまでも知られていたが、卵子がそれを利用して精子の選り好みをしているというのは意外な事実であるそうだ。

 ストックホルム大学(スウェーデン)とマンチェスター大学(イギリス)の研究チームが行なったのは、不妊治療中の夫婦から精子と卵胞液を採取し、その精子を異なる女性の卵胞液にさらすという実験だ。

 このとき、一方の卵胞液は男性の配偶者から採取されたものだったが、もう一方はまったく関係のない女性からのものだった。

 そして卵胞液に引き寄せられた精子の数を数えてみると、旦那さんを落胆させるような衝撃の事実が明らかとなった。

 「人間の卵子には特に強く引き寄せる精子があります。2人の男性の精子で比較してみると、卵子は好みの男性の精子を18〜40%多く引き寄せます」と、ジョン・フィッツパトリック氏は説明する。

 卵子にとって精子が誰のものであるかは重大事項であるらしいが、女性の卵子は必ずしもその夫の精子を引き寄せるわけではないようなのだ。

 夫の精子を引き寄せるのと同じくらい、赤の他人の男性の精子をも引き寄せていたからだ。旦那さんにとっては(奥さんにとっても別の意味で)ショッキングな事実である。

女性自身の好みとはまた違う不思議

 今回の発見を見る限り、どうも化学誘引物質のおかげで、卵子は女性の好みとはまた別の独自の好みを持つことができているようだ。

 だが、男女がそれなりに相手を選んでようやく結婚することを考えれば、少々不思議なことかもしれない。
 
 「人間も他の多くの動物も、かなり時間とエネルギーをかけてパートナーを選んでいますので、卵子が相変わらず選り好みをしている理由はよく分かりません」と、フィッツパトリック氏は話す。
 
 その一方で、精子はそれほど選り好みをしないだろうとフィッツパトリック氏は考えている。その理由は、精子と男性にとって、受精した後のコストが女性に比べるとそれほど高くないからだ。

 女性の生殖器に進入した精子は、首尾よく受精を果たすか、さもなければ死ぬしかない。そうである以上、その時点で精子が選り好みをしてもあまり意味はない。

 ところが卵子と女性の場合、妊娠してからが大変だ。こうしたコストがあるゆえに、卵子としては受精する精子を選り好みした方がいいのかもしれない。

不妊は卵子の好みの不一致によるものではない

 なお、卵子に好みの精子のタイプがあるとはいえ、今回の研究は、不妊がそうした好みの不一致によるものであると述べているわけではない。

 実験ではその点も検証されたが、それを示唆する科学的証拠は一切見つからなったそうだ。

 だが、これまであまり研究されることのなかった化学物質が、全体の3分の1を占める原因不明の不妊の謎を解き明かす手がかりになる可能性はあるとフィッツパトリック氏は考えている。
 
 それは新しい不妊治療にもつながることだろう。

Chemical signals from eggs facilitate cryptic female choice in humans | Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2020.0805

References:iflscience / phys/ written by hiroching / edited by parumo

2020/06/12 09:00
http://karapaia.com/archives/52291709.html

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