各局が軒並み2時間ドラマ枠をつぶし、謎の「なんでもアリ枠」にして、ドラマ限定から逃げた

1社会的弱者 ★2020/07/12(日) 22:03:43.19ID:10mkHJm19 テレビ局も、時代と共に2時間ドラマ枠を着々と減らした。各局が軒並み2時間ドラマ枠をつぶし、謎の「なんでもアリ枠」にして、ドラマ限定から逃げた。他の特番や映画も入れこみ、時々ドラマを放り込む程度の作戦に出た。「ドラマで視聴率惨敗」よりも「視聴者は定着しないがリスク分散」を選んだわけだ。

・昔は良かった「2時間ドラマ」
48歳としては、少しだけ思い出を語らせてほしい。古くは1970年代の天知茂の『江戸川乱歩』シリーズに始まり、市原悦子の『家政婦は見た!』や古谷一行の『金田一耕助』シリーズが好きだった。

新しいところ(つっても90年代)で言えば、いかりや長介の『取調室』(いぶし銀で粘り腰の長さんが取調室で繰り広げる、動きのない心理戦)に、西村和彦の『警視庁鑑識班』(科捜研の本田博太郎が強烈)シリーズ、渡瀬恒彦の『タクシードライバーの推理日誌』(元一課の敏腕刑事で今は運転手が事件にやたらと巻き込まれる)、松下由樹の『おとり捜査官・北見志穂』(松下のおとりにやや無理があるところや、粗雑でタバコが似合う蟹江敬三とのコンビ愛が秀逸)、橋爪功の『赤かぶ検事』(尾張弁の愛おしさを知った)シリーズも好きだった。枠でいえば、日テレの『火曜サスペンス劇場』、テレ朝の『土曜ワイド劇場』(再放送は『傑作ワイド劇場』)が好物だったな。

ただし、時代は令和。この昔ながらのフォーマットも絶滅しかけている。起死回生を狙ってか、テレ朝が2017年、日曜朝に2時間ドラマ枠「日曜ワイド」を設けた。安田顕主演『白い刑事』(元弁護士の刑事で白いスーツを着ている)とか、松重豊主演『内閣情報調査室 特命調査官・ハト』(町の電器屋のオヤジが実は内調)とか。私は好きだったが、視聴者から黙殺され、ひっそりこっそり終了してしまった

なぜ2時間ドラマが衰退の一途を辿ったのか。「若い人は耐性がない」と書いたが、そうとは限らない。2時間超えの映画は最後まで観るのだから、時間の問題ではない。「つまらない」からである。先が読める展開、どこかで観たような話だから、2時間もたないのだ。様式美と定番を愛でるほど、若い視聴者は寛容ではない。

そして、「話題にならない」。盆暮れ正月のスペシャルならまだしも、2時間モノの宣伝に、テレビ局はそんなに力を入れていないフシもある。

さらには1回こっきりの放送で、「DVD化もほとんどしない」。どれだけ元がとれるのかと考えると、やはり「予算が絶対的に足りない」としか思えず。

「つまらない」「話題にならない」「DVD化しない」「金もない」って、逆に言えば、もうほとんど「やり逃げ」なのだから、もっと自由なテーマで作ればいいのに。

なぜつまらないのか?
2時間モノの定番は「殺人事件」がメイン。スペシャルドラマにしても、「稀代の悪女」「歴史的な偉業の光と影」か「大スポンサーか大手事務所の肝煎り」が定番。なぜ同じようなモノしか作れないのか。企画書、コピペしてんのかな。ドラマで描く世界が狭すぎて、既視感しか覚えないのだ。

人が死ななくてもドラマはある。事件も解決せず、丸く収まらない不条理な世界が現実だ。巨悪は逮捕されないし、事実の隠蔽と嘘の塗り重ねで日本国家は形成されているし、夫婦や家族が仲良しで幸せとは限らない。人と関わらない・関わりたくない人にも24時間365日のドラマがある。そのへんにドラマはあるし、どんな人でも主人公になりうるはずなのに。まあ、これは連ドラも同じだよね。

愚痴と文句ばかりでは意味がない。もうちょっと建設的な話を。過去10年の間、2時間ドラマのすべてが駄作だったわけではない。面白かった作品も多々ある。

https://toyokeizai.net/articles/-/361413

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