1朝一から閉店までφ ★2020/07/11(土) 17:21:41.05ID:M/rqTizG9 2020年07月11日 09時50分
塚田賢慎
弁護士ドットコムのLINEで誹謗中傷の体験を募ったところ、自殺未遂まで追い込まれた女性からコンタクトがあった。「地獄にも似た」苦しみと戦うため、中傷相手を特定して対決する道を選んだ。
橋美清さん(55)。もともとは「橋しげみ」の名前で、フリーアナウンサーとして各方面で長らく活躍してきたが、ある業界関係者の男性からのストーカー被害を受け、事件化することになった。ところが、本当の「地獄」は事件の後に待っていた。
逮捕後すぐに不慮の事故で男性が死亡してしまうと、世間の矛先がすべて橋さんに向けられ、ひどいネット中傷に襲われたのだ。
苦しみを乗り越えるために比叡山で修行。現在は僧侶「橋美清」として活動している。同じく誹謗中傷に苦しむ人のため、相談にのる「駆け込み寺」を作る予定だ。(編集部・塚田賢慎)
●ストーカー事件報道で「特定」される
待ち合わせの場所に現れた橋さんは、ベリーショートの髪型をした姿勢の良い女性だった。「コロナの終息を願って伸ばしているんです。いつもは剃り上げているから、私にとってはこれでも長髪なの。また剃るんですよ」
差し出された名刺には「天台宗 僧侶 橋美清」。彼女の口から語られる解決までの3年間は苦難の道のりだった。
ストーカー事件の被害者になったのは2015年。仕事関係者のAさんから、執拗な電話やメールを受けるようになり、被害届を提出。Aさんはストーカー規制法違反の疑いで逮捕された(脅迫罪で罰金の略式命令)。
「被害者は群馬県に住む50代の女性アナウンサーで元交際相手」などと報じられたことで、橋さんの身元はすぐに特定されてしまった。
橋さんによれば、Aさんが逮捕前、ブログで「橋さんからお金を取られた」などの記事を書き連ねていたこともあり、「悪いのは女のほうだと、私への非難が始まったんです」。
「交際していた、お金を取られたと書かれましたが、内容は事実ではありません」(橋さん)。しかし、どれだけ違うと叫んでも、橋さんは「有名人から金を取った元交際相手」に仕立て上げられた。被害者と加害者の立場は逆転し、ネット上の誹謗中傷が始まった。
●まさかの死。待っていたネットの誹謗中傷
襲いかかる攻撃は何倍にもふくれあがることになる。Aさんが報道からほどなく不慮の事故で亡くなったのだ。「事件を苦にして自殺か」と書かれたこともあり、これで橋さんの扱いは完全に「加害者」になってしまった。
ツイッターなどのSNS、ネット掲示板、まとめサイトには、橋さんの顔写真とともに「人殺し」「今日は死なないの?」「首吊るの待ってるんだけど」「クソババア」「お金を取って、男を騙した」などの罵詈雑言があふれかえった。
「大量の中傷は何十万件にも感じられました。ネットだけではなく、自宅の電話が鳴らされ、勝手に荷物が送りつけられるなどいやがらせもエスカレートしました」
●現実世界で孤立、そして自殺未遂
理不尽な中傷は橋さんから仕事まで奪った。出演番組は降ろされ、新聞の連載も打ち切り。テレビ局は視聴者からクレームを受けることを嫌ったようだ。新聞社は「表に出ることは橋さんのためにならない」と伝えてきたという。
仲間だと思って信頼していた業界関係者も、橋さんからの連絡を無視。自分のフェイスブックに「人殺し」「この女、金取ったんだろう」と書き込んだ知人もいた。
この年のはじめに最愛の母親を亡くしていたこともあり、世の中に助けてくれる人もいない。すべてを失った橋さんの精神は崩壊した。
「こういうお話をするとね、中傷なんて見なければいいと言われますが、中傷は被害者の目を引きつける魔物です。どうしても見てしまうんですよ。死ねという言葉に洗脳されて、そういう気持ちになっちゃう。手首も切りましたし、薬もたくさん飲みました。でも、死に切れなかった」
からくも生き延び、戦う決心をした。このように考えたからだ。
「このまま死んだら、ネットの書き込み通りに、ありもしない罪を死んで認めたことにされる。1人でも捕まえないと。そのために動かなければ、私の心が本当に壊れる」
●「この人だけは許せなかったんです」
===== 後略 =====
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