1首都圏の虎 ★2020/01/04(土) 06:28:36.99ID:7TFnY3LH9 10月12日に伊豆半島に上陸した台風19号は、史上稀に見る勢力を保ちながら関東地方から東北地方を縦断していった。今回の台風の特徴は被害が甲信越地方など広範囲に及んだことであり、大型化する台風やゲリラ豪雨の頻発からは世界の気象変動がのっぴきならないレベルに来ていることを感じざるを得ない。
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豪雨による水害が中心だった台風19号

 また、9月に来襲した台風15号では強風による被害が多かったのに対して、今回の台風がもたらした被害の多くが、長時間に及んだ豪雨による水害が中心だったことも特筆される。なかでも千曲川をはじめとする一級河川の氾濫は、広域に甚大な被害を及ぼすに至った。

 被害を受けた多くの住宅はこうした河川の流域にあった。日本は古来、自然災害の多い国である。国土が狭く急峻な山地が多いために、河川が短く急流であることが原因だ。こうした国土に住むということは、つねに台風や地震といった自然災害と戦い続けなければならないことを意味する。
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一級河川などの流域はもともと地盤が軟弱なところが多いうえに、洪水などの災害が繰り返し起こっている。立派な建物を建てたところで、川の増水や氾濫を防ぐことはできない。2015年、デベロッパーが分譲した横浜市のマンションで、杭の一部が地盤に届いていないことがわかり建替え騒ぎとなったことは記憶に新しいが、このマンションの敷地も実は鶴見川の氾濫原だったことはあまり知られていない。
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「なんちゃって4階建てマンション」が抱えるリスク

 今回の台風で川崎市高津区にある4階建てマンションの1階部分が水没し、住民の男性1名が亡くなったという。現場の詳細はわからないが、思い出されるエピソードがある。マンション業界では開発のために取得した土地の上に、なるべく多くの住戸を確保した建物を造りたいと考える。だがそれぞれの土地には用途地域から容積率、建蔽率など様々な規制があり、その範囲内で建物を建設する必要がある。とりわけ住居地域などで苦労するのが、建物の高さ規制だ。

 街を歩くとときたま、1階部分が半地下のようになっているマンションを見かけることがあると思うが、実はこうしたマンションの多くが、高さ規制10メートルの土地に建っている。その規制の範囲内では、普通に建設すると3階建てが限界だ。だが、地面を掘って1階を半地下にすれば、4階建てにできるのである。

 世の中にはこうして建てられた「なんちゃって4階建てマンション」が数多く存在する。ところが、こうしたマンションはあたりまえだが水害が生じた場合、なす術がない。私の知り合いが勤めるデベロッパーでも以前、こうしたマンションを建設分譲したところ、数年後に台風による被害で水没しそうになり、土嚢を持って駆け付けた……などというエピソードがあるそうだ。そのデベロッパーでは現在、こうした“潜水艦マンション”は、その時の教訓で企画しなくなっているという。
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タワマンの街「武蔵小杉」の大規模冠水

 また今回話題となったのがタワマンの街、川崎市中原区の武蔵小杉で大規模な冠水があったことだ。武蔵小杉という場所はもともとNECをはじめとした大中小の工場がひしめく場所だった。多摩川にも近く、ハザードマップなどでも水害の危険性が高いと指摘されている。古くから川崎や横浜に住んでいる住民からみると、武蔵小杉は決して良い印象がある街ではなかった。

 ところが産業構造が変わり、工場の多くがアジアなど他地域に脱出すると、その跡地にデベロッパーが続々とタワマンを建設する。95年に建った武蔵小杉タワープレイスを皮切りに、今では数多くのタワマンが林立する街へと変貌を遂げ、SUUMO調査の「住みたい街ランキング」でも上位を占める常連になっている。

 ところが今回の台風ではJR横須賀線の武蔵小杉駅改札口が水没、駅前ロータリーはJR駅前のみならず東横線側でも冠水し、一時は水位が成人の胸の高さにまで及んだとの報告もある。こうした状況下、ネットでは一部のタワマンで地下部分に浸水が起こり、マンション内のトイレの使用を当面禁止する張り紙が出たとの話が拡散され、騒然となったという。

全文はソース元で
1/4(土) 6:00配信
文春オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200104-00020370-bunshun-life

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